映画やドラマの心に残ったセリフを置いていきます。
韓国ドラマNETFLIXオリジナル『私の解放日誌』から。
田舎町の農家と工務店を営む実家に住む三人のきょうだい。毎日バスや電車を乗り継いで通勤する。休みの日には農作業の手伝い。代わり映えしない毎日から抜け出したいと願い、それぞれの形で必死にあがく。
自己を肯定できず、だけど打ち破ることのできない毎日。今の自分や生活に満たされず、みじめさを感じ、愛や尊敬や成功や自由や生きがいが欲しいと願う。
淡々と丁寧に日々の生活を描くことで、その閉塞感、息苦しさが迫ってくる。
三人の住む実家の仕事を手伝うことになった寡黙で毎晩大量の酒を飲む謎の男の存在もあって、物語は登場人物たちの心と同じようにゆっくり動いていく。
- 🎬シーン1 今まで出会った人間はみんなクズばかり だからあがめて満たして
- 🎬シーン2 幸せを感じた時はむしろ鼓動が遅くなった気がした
- 🎬シーン3 なぜ私は他の子のように無邪気に笑えないのか
- 🎬シーン4 たとえ どん底を這っても恥じたりしない
- 🎬シーン5 正当な怒りだから
- 🎬シーン6 髪を剃りたいです さっぱりと
- OST*1 [MV] 이수현 (LEE SUHYUN) - 나의 봄은 (My Spring)
- 最後に
* 写真はそのシーンのものではない場合があります
🎬シーン1 今まで出会った人間はみんなクズばかり だからあがめて満たして
「なぜ毎日お酒を?」
「他に何を?」
「あげましょうか 飲む以外にすることを
私をあがめて 私は満たされたことがない
今まで出会った人間はみんなクズばかり だからあがめて満たして
そのうち冬がきます 冬になればすべてが死ぬわ
座って眺める物も工場の仕事もなくなる
昼間から飲んでみじめな気分に浸るのは耐えられないはず
あなたは何かすべきです
私も一度くらいは満たされたい
だから私をあがめて
愛じゃダメ あがめて」
🎬シーン2 幸せを感じた時はむしろ鼓動が遅くなった気がした
恋してドキドキする感覚が理解できない
私だって人を好きになったことはある
足りなかったのかな
私がドキドキしたのはよくない時ばかりだった
戸惑った時や腹がたった時
100メートル走の前 全部良くない時よ
うれしくてドキドキしたことはない
幸せを感じた時はむしろ鼓動が遅くなった気がした
解き放たれたような
初めて心臓の緊張がほぐれたような感じ
🎬シーン3 なぜ私は他の子のように無邪気に笑えないのか
私が神に聞きたかったことはただ一つ
”私がすべきことは?”
”ここにいる理由は?”
1991年まで存在せず50年後には存在しない
だけどその前もそのあとも 永遠に 存在するような気がした
そんな感覚に悩まされながら 一度も安らいだことがない
布団の中でも人混みの中でも不安で
なぜ私は他の子のように無邪気に笑えないのか
なぜ私はいつも悲しいのか
なぜいつも胸がドキドキするのか
なぜ何もかもつまらないのか
みんながカカシにみえる
自分が何者かも知らず 演じ続けるカカシ
もしかしたら何事もなく生きていける人は
こういう疑問から逃げているだけかも
”人生はこういうものだ”と偽りに加担して・・・
私は違う
死後に行く天国は必要ない
生きて辿り着きたい
🎬シーン4 たとえ どん底を這っても恥じたりしない
”誰かと一緒にいれば 少しはマシに見えるかも 誰かとつきあえば”
そうやって相手を選んでも 結局は応援できない
自分より優れていてほしいけど すごく優れてると許せない
無償で何かを与えたことも得たこともない
そんな関係は終わり
成功して去るというのなら快く行かせてあげる
たとえ どん底を這っても恥じたりしない
世界中の人に責められても
同じ人間として ただその人を応援する
親からも そんなふうに応援されたことないでしょ
🎬シーン5 正当な怒りだから
「不愉快な人間はどこにでもいるし
奴らは絶対に変わらない なら自分が変わるべきだが
この怒りを手放したくない」
「正当な怒りだから」
「正当ですよね」
「なのにいつも抑えることを強いられる」
🎬シーン6 髪を剃りたいです さっぱりと
髪を剃りたいです さっぱりと
長い髪で得したことなんてないのに
女だからと切れずにいるんです
毎朝時間をかけて洗って乾かして
髪の毛に苦しめられている気分です
剃ってしまえば 無駄な期待もしなくていい
剃ったらクビに?
OST*1 [MV] 이수현 (LEE SUHYUN) - 나의 봄은 (My Spring)
最後に
淡々と描かれるので、続きが気になって夢中になって見るタイプの韓国ドラマとは違いますが、人間一人一人をしっかりと描く、生活から食事から日常の言動から深く描き出して、人や生活を生々しくリアルに映し出している作品でした。まるで本当に存在する人たちの悩みや苦しみを見ているように感じられて、だんだんと登場人物たちの気持ちに共感して入り込んでしまい、じわじわと良さが染みわたってくる作品だと思います。役者さんたちの演技も脇役の一人ひとりまで素晴らしかったです🐾
*1:Original Sound Track